【弁護士が警告】退職代行を使って『訴えられる』リスクと、残業代200万円回収の全手法

監修者

弁護士法人新橋第一法律事務所
代表弁護士 住川 佳祐

【弁護士が警告】退職代行を使って『訴えられる』リスクと、残業代200万円回収の全手法
チェック
この記事を読んで理解できること
  • 退職代行サービスとは?法律上の仕組みと費用相場
  • 退職代行を使う前に確認すべき本質的な問い
  • 退職代行でよくある5つのトラブル事例
  • 退職代行業者の「非弁行為」リスクとは
  • 実際の相談から見た失敗例と解決例
  • よくある質問(FAQ)

※本記事は労働問題を扱う弁護士の実務経験をもとに作成しています。

まず、結論からお伝えします。

退職代行は、選ぶ業者を間違えると「非弁行為(違法行為)」に該当し、あなた自身がトラブルに巻き込まれるリスクがあります。

さらに、民間の退職代行業者では未払い残業代の請求ができないため、本来受け取れるはずだった賃金を取り逃がしてしまう危険性を生じます。

実際の相談では、弁護士への依頼によって退職と同時に200万円以上の未払い残業代を回収したケースもあります。

「退職代行って本当に使って大丈夫なの…」

「即日退職できると書いてあったけど、本当に問題ないのか?」

「会社を辞めたいのに、どうしても一歩が踏み出せない」

実際の相談でも、こうした悩みを抱えながら苦しんでいる方がいらっしゃいます。

その苦しさは、経験した人にしかわからないものです。

この記事では、労働問題を専門とする弁護士が実際の相談対応や解決事例をもとに、退職代行の法律上の実態・よくあるトラブル・弁護士を活用して権利を最大限守る方法を解説します。

■ この記事の結論(要約)

  • 退職代行は「弁護士(代理人)」と「民間業者(使者)」で法的権限がまったく異なる
  • 民間業者は会社との交渉ができず、直接連絡を止める手段もない(非弁リスクあり)
  • 退職代行による即日退職は法律上原則2週間が必要だが、有給消化を組み合わせれば実質的に翌日から出社しないことも可能
  • 退職代行トラブルへの対応・残業代請求は弁護士にしかできない
  • 退職代行を「単なる辞め方」として安く済ませようとすると、数百万円の未払い賃金を取り逃がすリスクがある

■ こんな方はこの記事を参考にしてください

  • 退職代行を使うべきか迷っている
  • 退職代行の違法リスクや非弁行為について知りたい
  • 退職代行で即日退職が本当に可能か知りたい
  • 退職代行のトラブルを避けたい
  • 未払い残業代や退職金を請求できるか気になっている

目次

  1. 1章:退職代行サービスとは?法律上の仕組みと費用相場
    1. 1-1:退職代行には「代理(弁護士)」と「使者(民間業者)」の2種類がある
    2. 1-2:弁護士と民間業者でできることの違い
    3. 1-3:民間業者では退職代行後も会社からの直接連絡を止められない
    4. 1-4:退職代行の費用相場|弁護士が必ずしも高くない理由
  2. 2章:退職代行を使う前に確認すべき本質的な問い
    1. 2-1:退職届を自分で出しても退職代行を使っても法的効果は変わらない
    2. 2-2:「退職すればすべて解決」ではない|未払い残業代を見落とさないために
    3. 2-3:有給休暇は退職前に消化する|翌日から出社しないためのスキーム
    4. 2-4:残業代など未払い賃金が眠っていないか確認する
  3. 3章:退職代行でよくある5つのトラブル事例
    1. 3-1:トラブル①会社から損害賠償を請求される
    2. 3-2:トラブル②退職後の必要書類を送ってもらえない
    3. 3-3:トラブル③退職日まで嫌がらせ・パワハラを受ける
    4. 3-4:トラブル④有給休暇を消化させてもらえない
    5. 3-5:トラブル⑤退職金を支払ってもらえない
  4. 4章:退職代行業者の「非弁行為」リスクとは
    1. 4-1:退職代行の非弁行為とは何か|2年以下の懲役または300万円以下の罰金
    2. 4-2:顧問弁護士がいても退職代行が違法になるケース
    3. 4-3:退職代行業者がニュースになった「非弁提携」問題の実態
  5. 5章:実際の相談から見た失敗例と解決例
    1. 5-1:退職代行業者を利用して失敗した3つのケース
    2. 5-2:弁護士が介入して解決した事例|退職代行+残業代請求で200万円以上を回収
  6. 6章:よくある質問(FAQ)
    1. Q. 退職代行で即日退職できますか?
    2. Q. 自分で退職届を出した場合と退職代行を使った場合で、法律上の違いはありますか?
    3. Q. 退職代行業者を使うと違法(非弁行為)になりますか?
    4. Q. 退職代行を弁護士に依頼すると費用が高くなりますか?
    5. Q. 退職代行を使うと会社から連絡が来なくなりますか?
    6. Q. 残業代はどのくらい請求できますか?
  7. まとめ|退職代行を使う前に弁護士に相談すべき理由

1章:退職代行サービスとは?法律上の仕組みと費用相場

退職代行サービスとは、「辞めたいのに辞められない」と悩む労働者のために、退職の手続きを代わりに行うサービスです。

退職したいと言い出せない、言ったらパワハラを受けた、何度言っても会社が認めてくれないといった場合に、業者が退職の意思を会社に伝えてくれます。

ただし、このサービスには法律上の重大な区別があります。

それを知らないまま業者を選ぶと、退職代行トラブルに巻き込まれる危険性があります。

1-1:退職代行には「代理(弁護士)」と「使者(民間業者)」の2種類がある

「退職代行」という言葉は法律用語ではありませんが、法律上、退職代行を行う立場には明確な2種類があります。

弁護士が退職代行を行う場合、弁護士はあなたの「代理人」として会社と交渉する正式な権限を持ちます。

法律事務を行う権限があるため、退職代行に関するあらゆる交渉を適法に進められます。

一方、民間の退職代行業者は、法律上「使者」という立場にとどまります。

平たく言えば、民間業者は「あなたの言葉を再生するスピーカー」でしかありません。

会社が「嫌だ」と言った瞬間、スピーカーは沈黙するしかないのです。

弁護士はその点で根本的に異なります。

弁護士であれば法的な権限を持って会社と直接交渉し、交渉が決裂すれば訴訟に持ち込むことができますが、民間業者にはその手段が一切ありません。

法的なたとえで説明すると、AさんがBさんへ手紙を届けてもらうためにCさんを使った場合、意思表示をしたのはAさんであって、手紙を運んだCさんはあくまで「使者」にすぎません。

民間業者は「自分たちはあくまで使者であって、労働者本人の意思を伝達しただけ」という立場で活動しています。

この「使者」という立場の限界が、退職代行トラブルの根本原因になっています。

1-2:弁護士と民間業者でできることの違い

弁護士と民間業者では、退職代行としてできることに大きな差があります。

以下の比較表をご覧ください。

項目

弁護士

民間業者

退職意思の伝達

可能

可能

会社との交渉(退職日・条件等)

可能

不可(非弁リスクあり)

未払い残業代・退職金の請求

可能

不可

会社からの直接連絡の遮断

可能

不可

退職代行トラブルへの法的対応

可能

不可

有給休暇消化の交渉

可能

不可(非弁リスクあり)

会社からの損害賠償請求への防御

可能(法的に代理)

不可(放置されるリスクあり)

この差を理解した上で業者を選ぶことが、退職代行で失敗しないための第一歩です。

1-3:民間業者では退職代行後も会社からの直接連絡を止められない

弁護士が退職代行を行う場合、あなたの代理人として会社に「今後の連絡はすべて弁護士宛てにしてください。本人には直接連絡しないでください」と伝えることができます。

会社がこうした申し入れを無視することは通常ありません。

万一応じない場合も、法的手続きで是正することが可能です。

しかし民間業者は「使者」に過ぎないため、退職代行後も会社があなたに直接連絡することを止める法的な手段がありません。

実際の相談でも、退職代行を利用したのに会社から直接電話がかかってきた、上司が自宅まで来たというケースは少なくありません。

1-4:退職代行の費用相場|弁護士が必ずしも高くない理由

退職代行の費用について、「弁護士は高い」というイメージがありますが、必ずしも民間業者より高いわけではありません。

法律事務所によっては1万円台から退職代行を引き受けているところもあります。

一般的な費用の目安は以下のとおりです。

  • 民間業者:1万円〜5万円程度(正社員は5万円前後、アルバイト・パートは3万円前後)
  • 弁護士・法律事務所:1万円台〜5万円程度

ただし、未払い賃金の請求などを同時に行う場合は、退職代行の弁護士費用として15万円以上になるケースもあります。

その場合でも、回収できる残業代が数十万〜数百万円になることもあるため、トータルで見ると弁護士に依頼した方が大きく得をするケースは十分あり得ます。

退職代行を「単なる辞め方」として費用の安さだけで選ぶことは、数百万円の権利を取り逃がすことと同じになる場合があります。

2章:退職代行を使う前に確認すべき本質的な問い

退職代行サービスの利用を検討する前に、まず確認してほしいことがあります。

相談を受ける中で、この確認をしなかったために大きな損をしてしまった方を多く見てきました。

2-1:退職届を自分で出しても退職代行を使っても法的効果は変わらない

まず知っておいていただきたいのは、自分で退職届を出した場合と退職代行を利用した場合とでは、法律上の退職の効果は基本的に変わらないという点です。

労働者には退職の自由が保障されており、退職届を自分で提出することも当然認められています。

退職代行が必要になるのは、

「会社に言い出せない心理的障壁がある」

「会社から違法な形で引き留められている」

「パワハラなどにより自分では対応困難な状況にある」

といった場合です。

退職代行はこうした状況を解決するための手段であって、使うこと自体が目的ではありません。

2-2:「退職すればすべて解決」ではない|未払い残業代を見落とさないために

退職代行を検討している方にとって、これが最も見落とされやすいポイントです。

退職代行を「単なる辞め方の手段」として使い、会社を去った後に「実は残業代が数十万円未払いだった」と気づくケースが、実際の相談では非常に多く見られます。

退職後は証拠の収集が難しくなり、交渉の余地も狭まります。

退職代行を考えた段階で、本来受け取れるはずの賃金を一緒に整理しておかなければ、その機会は二度と戻ってこないかもしれません。

実際の相談では、退職代行と同時に残業代請求を行うことで200万円以上の解決金を回収した事例があります。

退職と残業代請求をセットで進めることで、単なる「辞め方」を超えた「権利の完全回復」が実現できます。

2-3:有給休暇は退職前に消化する|翌日から出社しないためのスキーム

「退職代行で即日退職できますか?」という質問はよく受けますが、法律上(民法第627条第1項)は退職の意思を伝えてから2週間は在籍が続くのが原則です。

ただし、「法律上2週間必要」と「明日から会社に行かなくていい」は別の話です。

退職前に有給休暇が残っている場合、「最終出勤日を定めた上で、その翌日から残っている有給休暇をすべて使い切った日を退職日とする」という方法が可能です。

これにより、法的な退職日は2週間以上先になりつつも、実質的に翌日から出社しないことが可能になります。

ただし、退職した後に有給休暇を使うことはできません。

有休消化の日数と退職日の設定を間違えると、残っていた有給休暇をすべて失います。

このスキームの組み立ては、退職を決めた時点で弁護士に確認しておくことをおすすめします。

2-4:残業代など未払い賃金が眠っていないか確認する

退職を検討している時点で、会社から未払い賃金を受け取れていないケースは非常に多いです。

以下のような状況に心当たりがある方は、退職の前に必ず確認してください。

  • 残業しているのに残業代が支払われていない、または明らかに少ない
  • 「管理職だから」という理由で残業代を払ってもらえていない
  • 残業時間が正確にカウントされていない感覚がある
  • 退職に際して嫌がらせとして給与が未払いになっている

未払い残業代は過去3年分まで遡って請求することが可能です。

弁護士に依頼すれば、退職代行と同時に残業代請求も進められます。

3章:退職代行でよくある5つのトラブル事例

退職代行トラブルとして多いのが、以下の5つです。

相談の中でも頻繁に見られるケースを中心にご紹介します。

3-1:トラブル①会社から損害賠償を請求される

「退職代行 即日退職可」をうたう業者の中には、正式な退職手続きを踏まずに退職意思を一方的に通知するだけのケースがあります。

その場合、会社は「雇用契約に違反された」として損害賠償を請求してくることがあります。

たとえば、システムエンジニアが重要な開発業務の引継ぎをせずに退職した場合、会社は納期遅延や新たな人員確保のコストをあなたに請求できる可能性があります。

実際に引継ぎなしの退職による損害賠償請求が認められた判例もあります(ケイズインターナショナル事件 平成4年9月30日 東京地判)。

こうした会社からの損害賠償請求に対応できるのは弁護士だけです。

民間業者にはその手段が一切なく、問題が起きた瞬間に「あとはご自身で」という対応になります。

ただし、通常の退職手続きを踏んでいれば損害賠償が認められるケースは限定的です。

不安な場合は事前に弁護士に確認しておくことが最善です。

3-2:トラブル②退職後の必要書類を送ってもらえない

退職代行後には以下の書類が会社から必要になりますが、送付を拒否されるケースがあります。

  • 離職票:失業給付の受給に必要
  • 雇用保険被保険者証:転職先への提出に必要
  • 源泉徴収票:年末調整に必要
  • 年金手帳:転職先への提出に必要

退職代行を使った場合、会社との関係性が悪化し、送付が遅れる・拒否されるケースがあります。

結果的に、自分で会社に連絡して書類を請求せざるを得なくなることも少なくありません。

3-3:トラブル③退職日まで嫌がらせ・パワハラを受ける

退職代行を使ったことへの反応として、退職日まで暴言・無視・過剰な業務の押し付けなどが見られるケースがあります。

特に従業員を不当に扱うことが常態化している職場では、こうした行為が起きやすい傾向があります。

これらは法律上禁止された行為であり、証拠を集めて弁護士に依頼すれば損害賠償請求も可能です。

3-4:トラブル④有給休暇を消化させてもらえない

退職代行トラブルとして多いのが、会社に有給消化を認めてもらえないケースです。

法律上は違法ですが、弁護士以外の業者ではこれに対処する手段がなく、泣き寝入りになる可能性があります。

最初から法律事務所に相談することで、こうしたトラブルを未然に防ぐことができます。

3-5:トラブル⑤退職金を支払ってもらえない

退職金は法律で一律に義務付けられているものではなく、就業規則・契約によって決まります。

雇用契約・就業規則に退職金の規定がある場合、または慣習的に支払われてきた実績がある場合、退職金は法律上支払われるべきものです。

しかし支払いを拒否される事例も一部で確認されており、弁護士以外では対処できません。

早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

4章:退職代行業者の「非弁行為」リスクとは

退職代行サービスの違法性として問題になるのが「非弁行為」です。

内容によっては弁護士法違反に当たる可能性があります。

4-1:退職代行の非弁行為とは何か|2年以下の懲役または300万円以下の罰金

非弁行為とは、弁護士ではない者が「報酬を得る目的で」業務として法律事務を行うことです(弁護士法第72条)。

法律事務とは、法律相談・示談交渉・訴訟・会社との交渉などを指します。

退職代行の非弁行為について、サービス内容によってリスクが変わります。

依頼者の代わりに退職の意思を会社に伝えるだけ(使者としての行為)であれば、退職代行の違法性は低いです。

しかし、退職日について会社と交渉する、未払い給与・残業代・退職金について交渉する、有給消化について交渉するといった行為は、弁護士でなければ非弁行為になる可能性があります。

非弁行為には2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。

4-2:顧問弁護士がいても退職代行が違法になるケース

「顧問弁護士がいるから安心」と思って業者を選ぶ方も多いですが、状況によっては違法になります。

顧問弁護士が直接あなたから退職代行の相談を受けているのであれば問題ありませんが、顧問弁護士はアドバイスをするだけで、実際に会社と交渉するのが弁護士ではない民間業者である場合、それは非弁行為になる可能性があります。

「弁護士監修」と書いてあっても、実態が民間業者による交渉であれば、退職代行の違法リスクは残ります。

4-3:退職代行業者がニュースになった「非弁提携」問題の実態

弁護士法第72条は、弁護士以外の者が弁護士に法律事務を「周旋」する行為、つまり紹介料を取る形での顧客紹介も禁止しています。

これを「非弁提携」といいます。

近年、退職代行業者がこの非弁提携を問題とされてニュースになったケースが実際に発生しています。

重要なのは、退職代行業者が非弁問題で摘発・廃業した場合、依頼中の案件が宙に浮き、あなた自身が取り調べを受ける可能性もあるという点です。

費用の安さだけで業者を選ぶことは、依頼した翌日に業者が存在しなくなるリスクを抱えることと隣り合わせです。

5章:実際の相談から見た失敗例と解決例

5-1:退職代行業者を利用して失敗した3つのケース

退職代行トラブルとして、業者を利用したことで状況が悪化した相談は実際にも多く見られます。

中でも特に多いのが以下の3パターンです。

▶ ケース①「退職代行で即日退職」のはずが欠勤扱いになった

退職代行業者に依頼後、業者から「手続きが完了した」と連絡を受けたため出勤しなかったところ、会社側は退職を認めず、欠勤扱いで処理された。

その後、給与から欠勤分が差し引かれ、最終的に自分で会社と交渉しなければならない事態になった。

▶ ケース②退職代行業者による有給交渉が非弁行為となりトラブルに

業者が「有給休暇の消化について会社と調整します」と言い、会社と交渉を行ったが、業者による交渉は非弁行為に当たる可能性があり、会社側が問題視したことで退職代行トラブルが長期化した。

最終的に弁護士に依頼し直すことになり、余計な費用と時間がかかった。

▶ ケース③退職代行後も会社から直接連絡が続いた

「退職代行を使えば会社と一切連絡を取らなくて済む」と聞いて業者に依頼したが、民間業者には直接連絡を止める手段がないため、退職後も上司から電話が続いた。

精神的な負担が軽減されるどころか、むしろ悪化してしまった。

これらの退職代行トラブルに共通するのは、「業者ができること・できないこと」を事前に正確に把握できていなかった点です。

5-2:弁護士が介入して解決した事例|退職代行+残業代請求で200万円以上を回収

実際に解決した事案ですが、ある飲食店の従業員から相談を受けた際、退職したいという希望に加えて、長期間にわたる残業代の未払いがあることがわかりました。

そこで、会社に対して「有給休暇を消化した上での退職」を通知すると同時に、未払い残業代の請求も行いました。

当初、会社側は請求を全面的に拒否しましたが、訴訟で争った結果、会社側が支払義務を認め、最終的に200万円以上の解決金を受け取ることができました。

※金額・内容は守秘義務の範囲で抽象化しています。

この方が最初から民間の退職代行業者を使っていた場合、退職はできたとしても、有休消化の交渉も未払い残業代の請求も、どちらも実現しなかった可能性が高いといえます。

6章:よくある質問(FAQ)

Q. 退職代行で即日退職できますか?

A. 法律上(民法第627条第1項)、退職の意思を伝えてから最短2週間は在籍が続くのが原則です。

ただし「法律上2週間必要」と「明日から出社しなくていい」は別の話です。

2週間以上の有給休暇が残っている場合、翌日から有給消化に入り、実質的に出社しないまま退職日を迎えることが可能です。

このスキームの組み立ては弁護士に相談することをおすすめします。

Q. 自分で退職届を出した場合と退職代行を使った場合で、法律上の違いはありますか?

A. 基本的に退職の法的効果は変わりません。

退職代行が本当に必要なのは、心理的障壁・会社の違法な引き留め・パワハラなど、自分では対応困難な状況がある場合です。

まずは自分の状況を整理することをお勧めします。

Q. 退職代行業者を使うと違法(非弁行為)になりますか?

A. 業者が単に退職の意思を伝えるだけ(使者)であれば、退職代行の違法性は低いです。

しかし退職日の交渉・残業代の請求交渉など、弁護士のみが行える「法律事務」に踏み込んだ場合は、非弁行為(弁護士法第72条違反)になる可能性があります。

Q. 退職代行を弁護士に依頼すると費用が高くなりますか?

A. 必ずしも高くなるわけではありません。

法律事務所によっては1万円台から引き受けているところもあります。

また未払い残業代を請求した場合は、弁護士費用を差し引いても大きな金額を回収できるケースが多く、トータルで見ると民間業者より有利なことが多いです。

Q. 退職代行を使うと会社から連絡が来なくなりますか?

A. 弁護士に依頼した場合は、弁護士が代理人として「今後の連絡は弁護士宛てに」と会社に伝えることで、直接連絡が来なくなるのが通常です。

一方、民間業者(使者)の場合は退職代行後も会社が労働者に直接連絡することを止める法的手段がないため、会社から直接電話が来る可能性があります。

Q. 残業代はどのくらい請求できますか?

A. 未払い残業代は過去3年分まで遡って請求できます。

業種や労働時間によって異なりますが、数十万〜数百万円になるケースも珍しくありません。

まずは相談だけでも問題ありませんので、自分のケースでどの程度請求できるか確認することをおすすめします。

まとめ|退職代行を使う前に弁護士に相談すべき理由

「辞めたいのに辞められない」その苦しさは本物であり、あなたの責任ではありません。

しかし、解決のために選んだ退職代行が新たなトラブルの入口になってしまっては本末転倒です。

この記事の要点をまとめます。

■退職の法的効果は自分で届けを出しても退職代行を使っても変わらない

退職代行が必要なのは、心理的障壁・違法な引き留め・対応困難な状況がある場合に限られる。

■退職代行の「代理」と「使者」の違いを理解して業者を選ぶ

弁護士(代理人)は交渉・直接連絡の遮断・損害賠償対応が可能。

民間業者(使者)は意思の伝達のみで、トラブルが起きた瞬間に何もできなくなる。

■退職代行を「単なる辞め方」として安く済ませると、数百万円の権利を失う可能性がある

退職と残業代請求をセットで進めることで「権利の完全回復」が実現できる。

弁護士依頼で200万円以上の解決金を回収した実績がある。

■民間業者が「交渉」をすると非弁行為(違法)になる可能性がある

弁護士法第72条違反で、2年以下の懲役または300万円以下の罰金のリスク。

摘発された業者を利用していた場合、依頼者自身が取り調べを受ける可能性もある。

退職で悩んでいる方は、まず労働問題に強い弁護士への相談から始めてみてください。

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